佐渡島野草研究家 菊池はるみ

佐渡島で自然と暮らした先人の知恵をライフスタイルにとり入れた生活をする主婦です。 子供3人、猫4匹、夫と古民家で暮らしてます。 佐渡島の民俗学と植物学者の伊藤邦男先生の本を参考にさせて頂いてます。

真冬にサンカの足跡をたどってみました


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サンカという民をご存じでしょうか?

私は数年前に知り、

興味を持っていました✨

 

なんと、

ここ佐渡島にもサンカの民がいた事を

郷土史で知りました。

 

サンカとはWikipediaによると

サンカ山窩)は、日本にかつて存在したとされる放浪民の集団である。本州山地に住んでいたとされる。定義については後述のように激しく論争されてきた。呼称は日本の警察による便宜上のものであり、差別用語としても使われる。

ということで、

歴史の表舞台には出てこない人。

 

歴史の細かいひだに隠れて日が当たらないままになっている人々。

 

いわゆる差別的な扱いですね。

私は差別という根深い日本の問題を表面しか知りません。

 

現代文明との共存は、

想像を絶する苦労があったと思うし、

サンカの民であった事は

自分から誇りを持ってアピールする家系ではないという事は確かです。

 

謎に満ちているため、

日本の先住民と言われたり、

いつの時代も、

多くの民族研究者の情熱をかきたてた人々なのです。


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私はなぜ興味をもったかというと、

野草をどのように利用していたか?

 

山に存在する

あらゆる存在と共存するための暮らし方はどういうものか?

 

山での暮らしは幸せだったのか?

という3点です。

 

 

 

 

佐渡あるある~
佐渡島は居住地を今でも部落と普通に呼び合い、
例えば運動会では〇〇部落対〇〇部落、
地域区分けは今でも部落が普通に使われています。
でもこれが差別用語だと8割の人は知らない。

 

きっかけは、

友人が氷瀑を見に連れて行ってくれる場所が

ちょうどサンカの民が住んでいたと書き残されている場所でしたので、

喜んでついていきました。

 

山と共に暮らした民の気持ちを肌で体感してみたいと、ワクワクで出発しました(^^♪

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-2度位ですがめっちゃ寒いです。

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スノーシューでなければ埋まる。

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少しでも体の動きが止まれば、

寒すぎて足のつま先がもげそうに痛いです。

靴下1枚履きではつま先用ホッカイロは機能しません。

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スキーを楽しむのとは少し違う感覚です。

ゆっくりと雪山を歩むのもいいですね(^^♪

雪の中に青々としている樹々の強さを尊敬します。

「雪の中でも

常緑な植物には神が宿る」

と言われていたそうですが、

強く共感しました。

 

特にヒメアオキ。


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夏も冬も変わらず元気で本当にすごいです。

 

エゾユズリハ・ハイイヌガヤ・キヅタ・ヒノキアスナロ

などの緑に励まされながら歩きました。

 

道なき道、

沢を登っていくと

ようやく氷瀑にたどりつきました。

芸術的で幻想的でとても美しくて感動しました。


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携帯の電源は寒さで落ちていました。

サンカの民は川のプロだということですが、

 

心の声・・・冬もゴム長靴無しでこの川に入ったんだろうか??


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帰り道は手足がかじかみ装備の脱着が思うようにいきませんせした。

 

心の声…自然素材ではまず耐えられない程寒い。ありえない。

 

記念写真の際は、

風で知覚過敏が染みるのでうまく笑えませんでした (笑)


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雪の中で皆で湯を沸かしカップラーメンを食べました。

最高に美味しかったです。


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サンカの民がいたこの地域に行ってみて、

冬山を体験してみて、

現代に生まれて良かったと心底思いました笑

 

佐渡の各地に残る新春を祝う神事の春駒。

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五木寛之の著書によると、

発祥はサンカの民だそうです。

サンカの民はその他竹細工や、箒、蓑、川の事は超一流の知識と技を持っていたそうです。

 

祖父もこの地区を

「自給自足の場所だ」といい

この地区出身の年寄りは

「父は包丁1本持って、出張料理人をしていた」

と教えてくれました。



 

サンカの民のかつて生きた場所に行ってみて、

昔の人はすごいな~

ただただすごいな~

 

という事しか感じられませんでしたが、

「常緑なものに神が宿る」

という考え方はわかる気がしました。

 

 

 

 

最後まで読んで下さってありがとうございます。