佐渡島野草研究家 菊池はるみ

佐渡島で自然と暮らした先人の知恵をライフスタイルにとり入れた生活をする主婦です。 子供3人、猫4匹、夫と古民家で暮らしてます。 佐渡島の民俗学と植物学者の伊藤邦男先生の本を参考にさせて頂いてます。

古布のカーテンと昔の婚姻形態

古い布を頂きました。

おそらく夜寝るときに蚊を避けるための蚊帳だと思われます。

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古いはずなのに、

私にとっては珍しいのでとてもオシャレに見えました。

気に入ったのでチクチクと子供と直線縫いをしてカーテンにしてみました。

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程よい遮光と自然素材の優しい風合いがとてもいい感じです。

 

この素材は何だろう?麻だろうか?

佐渡の歴史を調べてみることにしました。

シナカヤを作るために戸地地区で沢山織られた。

長江ではシナ布をノレンにしたり、

仕事着や下着、

またはカヤなどに作って、

日常の暮らし向きに利用していた。


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本によれば、

おそらくこの生地はシナの木からできたシナ布だと思われます。



シナの木とは、

シナノキ(科の木、級の木、榀の木、Tilia japonica

アオイ科シナノキ属落葉高木

日本特産種である。

まだ見たことない木でした。

いつかお目にかかりたいものです。

蚊帳と一緒に古い本も頂いたのですが、

こちらに佐渡に残る面白い婚姻の風習が載っていましたのでご紹介致します。


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婚姻風習と嫁分水の碑

大崎から川茂辺りにには、

60年くらい前まで変わった婚姻風習があった。

古老の話では、

その頃は1度の結婚で納まる夫婦は珍しく、

2度3度がふつうで、

5度目という人もいた。

なかには、

何回か経験した後、

最初の相手と結ばれた夫婦もあったとか。

今の試験結婚と似た風習であるが、

違う点は、

正式に結婚し戸籍に入りながらも、

何回か結婚が繰り返されたことである。

嫁の水分けの碑は、

婚姻風習とは対照的に悲しい物語をもっている。

椿尾と大崎の分水嶺にこの碑がある。

大旱の年、嫁が水引きをいいつかり、
少ない水を実家の田へ引くか婚家の田へ引くか悩みついに首を攣って死んだという話である。
この碑の横を江戸時代に作られた但馬江(味方但馬でなく田島四郎右衛門が作る)が流れている。

 
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優しいお嫁さんと、

面白い婚姻の話は複雑な気分になりました。

 

大滝~川茂地区は能登からきた漆職人が住む地域だったとか。

私が育ったのもこの地区でしたが、

祖母の若いころまでは確かに漆職人がいたということです。


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そういえば

 

この地区に住む友人のお祖母さんには離婚歴があると聞き、

「当時にしては珍しいな」と思った記憶があります。

 

 

 

風習を知るのも面白いですね!

 

 

最後まで読んで下さってありがとうございます。

 

 

伊藤邦男先生の本の引用はこちら

↓↓↓

佐渡島の植物と民俗

 

 

 

 
 
 
 
 
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