佐渡島野草研究家 菊池はるみ

佐渡島で自然と暮らした先人の知恵をライフスタイルにとり入れた生活をする主婦です。 子供3人、猫4匹、夫と古民家で暮らしてます。 佐渡島の民俗学と植物学者の伊藤邦男先生の本を参考にさせて頂いてます。

野草は自然界からの贈り物だけど、誰にでも受け取れるわけじゃない

今日は81歳の元気なお婆さんから、
昔の野草料理事情を学びました✨

お婆さんは地元で白露会という、

伝統的な郷土料理の教室を開催し、

野草を食べる知恵を残すために活動されておられた方です。

 

お婆さんはとにかく明るく元気でよく笑いました。

 

「美味しいとか美味しくないとか
そんな事言ってる場じゃなく

食べられるものは何でも、
お腹を満たすために食べた。

味付けはごま和えのおひたしが基本。
ご飯に混ぜる食べ方も多かった。」

 お婆さんの子どもの頃は戦後の混乱期。

佐渡は戦争で空襲の被害はありませんでしたが、

大切な働き手と農作物はお国の為に捧げ、

それはそれは苦労した世代です。

「砂糖なんかない。

甘味は柿や米飴。

柿は科学的に渋抜きしたものなどなく、

蔵に入れて熟したものを香煎を混ぜて食べたよ。

香煎は麦香煎・もち米香煎があって、

裕福な家はもち米香煎だったんだよ。

小豆の甘味は干し柿

それに塩小豆が多かった」

 とのこと。

 

「道ばたのキビズイコウ(スイバ)はオヤツ。

ポンポンズイコウ(オオイタドリ)は海水位の塩分で一晩さらしシュウ酸を抜く。

お皿に5切れ並べて食べるの。

それ以上は害になるんだ。」

 貴重な体験談をじっくりお伺いする事ができました(^^♪

最後にお婆さんは

 

「誰でも簡単に見分け採れる訳でもない。

そんな簡単に行くわけないでしょ。
灰汁抜きの手間もかかるし、
責任もあるから、
色々めんどくさいのよ。
知らないと食べれないのよ、ふふふ」

と元気に笑っていました。

 

お話を伺った日の午後、

山の中にある田んぼに行きました。

イヌドウナ

オオバギボウシ

イタドリ

コシアブラ

タラノメ

ワラビ

トリアシショウマ

ハコベ


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食べられる野草や、

山菜と呼ばれる草が沢山自生していました。

ここの風景は、

50年前の里の風景に近いのかもしれません。

 

昔と植生が変わり、

かつてはその辺に大量に自生していたものが、

今では珍しい貴重な山菜扱いになったものもありました。

 

私は飽食の時代に産まれ、
余裕を持ち

好んで野草を食べています。

選ぶ事ができます。

 

それはとても幸せな事だと気づきました。

 

その辺の草を食べるには責任もあるから・・・

 

というお婆さんの言葉が胸に残ります。

 

育てた野菜が安全である責任は

種の販売者に…

 

スーパーで買った野菜は

生産者や販売店

安全の責任がいきますよね。

 

食べる責任を

どこか他人に任せている部分があります。

 

けれど

自生する野草を採取し食べる責任は

自分自身です。

 

自然界からの恵みは沢山あるけれども、

見分ける経験と知恵がなければ

受け取れない恵み。

 

受け取ろうとする熱意と、

調理する責任がないと

食べることが出来ないもの。

 

野草は自然界からの贈り物だけど、

誰にでも受け取れるわけじゃない。

 

だからかな、

受け取れた幸せと充実感は

言葉にできな喜び。

 

 

田んぼの脇で

◯イヌドウナ(春菊みたいな味)
◯モミジガサ(ほうれん草より美味しいと噂)
◯トリアシショウマ(鶏の足みたい)
ギボウシ(ほんのり甘い)

を採取して

すき焼きにしました✨


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美味しいかった。

 

 

 

最後まで読んで下さってありがとうございます。

 

 

 

伊藤邦男先生の本の引用はこちら

↓↓

佐渡島の植物と民俗

 

 

 

 
 
 
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