佐渡島野草研究家 菊池はるみ

佐渡島で自然と暮らした先人の知恵をライフスタイルにとり入れた生活をする主婦です。 子供3人、猫4匹、夫と古民家で暮らしてます。 佐渡島の民俗学と植物学者の伊藤邦男先生の本を参考にさせて頂いてます。

さんぼうし


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友人のカフェで桟俵と呼ばれる

◈俵の蓋◈

を頂きました。

 

ネット情報によると

俵の蓋は、

 

天と地を結ぶ役割も有り地域によっては

〖ながし雛〗と呼ばれる風習にも利用されるそうです。

 

流し雛(ながしびな)は 雛祭りのもとになったといわれる行事。 「雛流し」ともいわれる。 祓い人形と同様に身の穢れを水に流して清める意味の民俗行事として、現在も各地で行われている。


https://ja.m.wikipedia.orgwiki
流し雛 - Wikipedia

今まで意識したこともなかった俵。

 

昔の米や麦などを運搬する為の入れ物でした。


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(米俵は一個60キロ‼️

このお方は180キロ担いでいる‼️)


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(大正時代の米倉庫)

 

米俵は麻袋になりやがて現在の紙袋に変化して行きました。

 

 

お盆に実家に帰省した際、

何気なく祖父に、

俵の話しを振ってみたところ、

なんと作れると言うではありませんか❗️

 

米俵の蓋

佐渡方言◈さんぼうし◈

の作り方を教えてもらいました。

 

昭和50年頃までは米俵だったとのことで、

作るのは実に40年ぶりだそうです。

 

ーさんぼうしの作り方ー


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まず、

すぐった(ゴミをとった)藁を片手でつかめる位用意します。


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石臼を用意します。

俵の直径は石臼と同じなのだそうです。

86歳の祖母も

「やった事ないから作ってみたい!」

と参加。

 

さんぼうしは草履のように誰でも編める訳ではなく、

佐渡に於いては主に男性が編んでいたそうです。


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トントンして先を揃えます。


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中心を縛ります。


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穂先の方を下に折り曲げ箒みたいにします。


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石臼の中心と折り曲げた藁の中心を合わせます。


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均等に広げて

石臼に乗って三つ編みして行きます。


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難しいので選手交代。


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とても苦しい格好です。でも祖母(初挑戦)はすいすい編んでました。


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最後に三つ編みをして始末します。


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調えたら


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完成。

 

 

この俵の蓋は規格があって、

紫色の◎(マルゴウ)サインを貰い初めて使えたのだそうです。

 

地域で集めた米を籾摺りし、

3000俵を3人で作って出荷したと言ってました‼️

 

6000以上の俵の蓋が必要です‼️

俵は他にも筵や縄が必要で、

全て手作りしたそうです。

 

車の無かった農村の米俵運搬についても話しを聞きました。

 

基本は背負うか、

リアカーだったそうです。

 

祖父は山に住んでいるため運搬は背負う方法。

 

2俵(120キロを背負い)1キロ先の米倉庫に運び、

それを5往復したそうです。

 

連日のうなだれる程の重労働を

 

 

「あくびのとうとう」

と言います。

アケビの新芽のようにうなだれる重労働と言う意味。


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……。

 

この話しを笑いながら笑顔で話す祖父母。

でもこれは生活するための作業の本の一部に過ぎません。

 

自分が少し体験して初めてわかる大変さ。

 

先人の過酷な労働のお陰で、

今私がこうやって暮らして行ける事を知り感謝が溢れました。

 

知れて良かった、、、。

 

私は家族に、

お米を残してはいけないと強く言われ育ちました。

 

そりゃそうです。

ものすごい労働の結晶です。

 

 

 

最後まで読んで下さってありがとうございます

 

 

https://www.instagram.com/p/CD8XVXsJGPh/

87才の祖父に米俵の蓋(さんべえし)の作り方を教えてもらいました✨俵の蓋はほかにも神、異界とこの世との間の仲立ち(媒介)用具とされたそうです。40才女子で作れる人はあまりいないかもしれない❗️#さんだわら #藁細工#米#稲穂 #佐渡島#野草研究家

 

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